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昔の人は凄い!(民衆パワーと山県昌景)

みなさんこんにちは。

 

ここのところすごく忙しくてブログはおろか、facebookやtwitterなどの更新もままならない状態でしたが、ようやく落ち着いて筆を執る(いや、キーボードを叩くかww)ことができます。

 

SNSでもお伝えしましたが、お城ジオラマ復元堂は富山県砺波市より、続日本100名城にも選出されている「増山城」のスタンプラリーアプリの開発に携わることになりました

増山城冠木門

(増山城跡)

 

製作過程は「城ラマ開発奮闘記」のブログでもお伝えしていこうと思います(みなさんはカテゴリーなんて気にしてないですよねww)ので、楽しみにしていてください。

 

さて、9月10日(月)に砺波市教育委員会での打ち合わせの為富山に行きました。
打ち合わせの後、本来は増山城に登城する予定でした。しかし雨がかなり激しかったので登城は諦めざるをえませんでしたが、帰りの途中にあった「となみ散居村ミュージアム」に連れて行ってもらうことに。

 

「散居村」ってあまり聞きなれないかもしれないですが、砺波平野では農家が自分の周りの土地を開拓して米づくりを行ってきた歴史があり、その農家の周りに水田がある形態がなんと7000戸も点在して独特の景観を作り出しています。そのような形態の集落を「散居村」と呼んでいます。

 

ミュージアム内にはいくつかの施設があり、その中の民具館には昔の農器具が沢山展示されていました。

となみ散居村ミュージアム民具館

(となみ散居村ミュージアム民具館)

 

ひょっとすると農器具を真面目に見たのは初めてかもしれないですが、担当の方の説明を聞いていると、生産能力を上げるため昔のひとは物凄く工夫を重ね、当時は革新的ともいえる器具を次々に開発してたことが分かりました。その飽くなき欲求というか、前に進む力というのは、物凄いものだなぁと改めて「民衆」のパワーを受け取ったのでした。

田植えの器具(様々な農器具の展示がある)

 

帰路は、いつもは北陸自動車道から上信越自動車道を経由して帰るのですが、何となく「飛騨経由で帰りたい」という欲求が湧き、国道41号線を南下することを選択。

 

神通川を横目に山道をどんどん南下していくと「猪谷関所館」という看板を発見。ちょっと気になったので寄ってみました。

猪谷関所跡

 

この猪谷は富山藩の関所があり、その関所番人であった橋本家には2000点におよぶ古文書が大切に保管されていて、それにより当時ここを行き交った人々の歴史を知ることができます。

 

峠の向こう側にある飛騨は江戸時代天領であったため、橋を架けることが許されず、川を渡るのに「篭渡し」という独特の方法も使われたそうです。

猪谷篭渡し

(篭渡しの篭の再現・富山市のHPより)

 

また、この現国道41号線は江戸時代に、商人が富山から鰤(ぶり)を飛騨に運んだことからぶり街道と呼ばれ、ぶりは出世魚であることから、出世街道とも言われているそう。さらには、この街道筋にはノーベル賞を取った人が5人も現れたこともあり、全部ひっくるめて「ぶり・ノーベル出世街道」というネーミングが付いていました(くっつけすぎて何だかよくわからんw)

越中飛騨信濃街道ノーベル

(紫色がぶり・ノーベル出世街道、緑の丸がノーベル賞受賞の方のゆかりの地、赤が私の進路)

 

この富山から飛騨に行ったぶりがどうなったかというと、今度は飛騨の商人によって信濃に運ばれ信濃では「飛騨ぶり」として正月行事には欠かせないものになったとか。

 

いやいや、とにかく富山から飛騨に抜ける道は自動車でも大変な道なのに、ぶりをもった昔のひとは徒歩で行ったんですよねぇ。しかも沢山の方々が!この民衆パワーって凄いなぁ、ってまたまた民衆パワーを受け取っちゃいました

 

その後神岡経由で国道471号線で松本に向かったのですが、この神岡は飛騨の国人「江馬氏」の本拠地で、近くには高島諏訪城跡やその麓にある江馬氏の館の跡もある城下町です。
本城である高島諏訪城から北西に1.2kmほどの場所に神岡城があります。
模擬天守が立っているので、普通の人はこちらが江馬氏の本城だと思うかもしれないですねw

神岡城堀跡

(神岡城跡の堀跡)

言い伝えによるとこの神岡城は、永禄7年(1564年)江馬氏の内紛に乗じて甲斐武田氏が軍事介入し、その時に派遣された武田家重臣・山県昌景の築城とされます。

 

山県の縄張りの真偽はともかく、ここから安房峠をこえて信州に抜ける道もかなりエグイわけで、もちろん戦国大名は自らの家の浮沈が掛かっているから現代の我々のように「えー面倒くさいー」なんて言ってられないのかもしれないけど、山県がここにくるのも相当なパワーが必要。そして先出のように安房峠は信濃にぶりを運んだ飛騨の商人もせっせと越えていたわけで・・・

 

いやいや、昔のひとって本当にすごいパワーだな・・・って改めて感じた奥飛騨慕情的な旅(なんじゃそりゃw)でした。

 

ちょっと長くなりましたが、今回はここまで!

著者情報

二宮博志

二宮博志

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